きらっと★ユメミタビ

人生にもっと輝きを。旅、料理、読書、ものづくりなど、日々の体験や想いを綴ります。

ありがとう、またね。

2020年7月26日18:00頃
我が家で長い間ともに過ごしてくれた
愛猫の「すけ」が天国へ旅立ちました。


2003年9月9日
どしゃぶりの雨の日
中学校の近く、箱の中で
ずぶ濡れで汚れてしまっている子猫を
母が発見して、放っておけず連れて帰った。

9月9日に拾って、全体的に黒っぽい、
黒と茶色が入り交じったさび猫だったから、
「くぅちゃん」と名付けられた。
強い眼でガン見しながら、
勢いよくミルクを飲んでいた、気がする(笑)

それから家のリフォームのこととかがあって、
一時的にいとこのお家に預けたんだっけ。
いとこんちではお友達の猫がたくさんできて、
帰ってくるときに淋しいといけないからって、
もう1匹のお友達と帰ってきた。

その子が模様がまたそっくりで、
でも性格はおっとりしてて、
目つきも優しい感じ。
名前がこれまた「くぅちゃん」だった(笑)

もともと雨の日に拾ってきたくぅちゃんは、
いとこんちの猫にくぅちゃんっぽさで負けて、
くぅすけになってしまった(笑)
女の子なんだけど、なんだか強そうなの。

くぅすけと呼ばれることはしだいに少なくなり、
「すけ」とか「すけにゃん」とか
みんなからはそんな感じ。

一時期はすけとくぅちゃんの出産が被っちゃって、
10匹以上、お家に猫がいたこともあったっけ(笑)

本当に色々あったんだけど、
最後まで長い間お家にいてくれたのはすけだった。
ほかの子たちは、
ほかのお家にもらわれていったり、
残念ながら先に天国へ行ってしまったりして、
ここ5年以上はすけ一人だけ。
17年近くの間、一緒にいてくれました。

おばあちゃんになって、
食べることと寝ることが楽しみな
そんな毎日を送っていたのだけど、
2ヶ月ほど前から喉にしこりができてきて、
息苦しい、水も飲めない、大好きなご飯も食べられない
といった状態が続いていました。
検査の結果、悪性の腫瘍が全身に転移しました。
もう状態的にも、年齢的にも、手術は難しく、
自宅で安心してゆっくり
過ごさせてあげることになりました。

実家を後にする度に、
「もうこれで会えるのは最後かもしれない」と
何度も覚悟しようとしながら、
「またね」
と言って車を走らせました。

実家に帰省する度に、
ただそこに居てくれることに
心から有り難さを感じ、
また会えたことに喜びを感じました。

会う度になにかを伝えようとしてくれたり、
元気づけようとしてくれたり、
頑張ってくれてる、
そんな感じがしました。

離れているときも、
毎朝、母から送られてくる
【今日のすけにゃん】
という写真や動画付きのメールに
元気をもらってました。

2020年7月26日お昼頃
「すけの容態が悪い!」と母から連絡があって
ビデオ電話で会わせてもらいました。
眼を開いて、歯を食いしばって、
必死に息をしていました。

「よく頑張ったね。」
「えらかったね。」
「ありがとう。」
「もう大丈夫だよ。」
言葉が出てくる前に涙が溢れてきて、
言葉を絞り出した。

それでもビデオ電話を切るときに、
最後に言った言葉は
「またね。」 だった。

そしてその日の夕方、
すけが天国へ旅立ったとの連絡がありました。


さみしいーーー
けれど
安心やこれで良かったんだ
という気持ちもありました。

すけがもうこれ以上
しんどい思いをしないでいいことに。
すけがみんなのいる天国へ行けることに。
母がもうこれ以上、
すけの心配で心を痛めないで済むことに。

ことが全て終わってから、
家族LINEですけの写真がたくさん集められた。
びっくりするくらいたくさんあって、
本当に愛されていたことを改めて実感しました。

私たち家族にとってすけはどんな存在だったのか?
・間違いなく、家族の一員である。
・猫なんだけど、猫じゃない。
・すけの周りにみんなが集まる。
・家族を繋いでいる。
・3姉妹の隠れ4人目の末娘?
・面白いムードメーカー
・どんなときもそこに居てくれて、元気をくれる
・なにかを伝えようとしてくれてる時がある?


有難くも、非常にも、毎日は回ってゆく。
私は、きちんと向き合えているだろうか?
悲しめただろうか?
今この瞬間を味わえているだろうか?

少しだけ心に小さな隙間ができたようで、
一人でいると落ち着かなくて
向き合うために、言葉を紡ぐ。

今でも写真や動画に手を伸ばしたら
触れそうだなとか、
帰省したら出迎えてくれるんじゃないかなとか
そんなちょっぴり危険な妄想があるけれど、
とりあえず今はまだ
「ありがとう、またね」
なんだよね。



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いつかのその時がくるまで、
自分のペースで内面を大切にしながら
進んでゆこう。