きらっと★ユメミタビ

人生にもっと輝きを。旅、料理、読書、ものづくりなど、日々の体験や想いを綴ります。

愛あふれる卒業式

「私は【夢がないこと】がずっと悩みでした。」

そう卒業のことばを発していく。

今日は私にとっての卒業式。

最近では退社のことを
「卒業」と言うのが流行っているらしい。

私自身、「会社を卒業する」ということばに
違和感をもっていた。

でも今日一日は、
思い出の場所や馴染みの場所に
足を踏み入れる度、
一人一人とお話しする度、
最後のお仕事をする度に、
入社してから5年間の思い出が
次々と思い出されて、
「新入生のころにお花見をして…」
なんて言っちゃって、
すっかり「卒業」という気持ちに
なってしまっていたのだ。

卒業生代表(といっても私一人なのだけど)の言葉では、
号泣して言葉に詰まってしまうものだと
思っていたけれど、
溢れる涙を止めようとしなければ、
出てくるものをせき止めようとしなければ、
伝えたいこともはっきりと出てきた。


まだ私が就活生だったとき、
夢もなくただただ人生迷子の状態で、
「人」だけを頼りにさまよった。

だれかのためになり、
だれかに喜んでもらえることが好きだった。
だから、素敵な人たちの力になれるようなところへ行きたいと思った。

そんな中でご縁あり出会った会社。
「就活はしばしば恋愛に例えられる」
と耳にしたことがあるけれど、
私の場合はまさにそうだった。

面接をしてくださった方の人柄に惹かれ、
社内で楽しそうに働かれている方々の人柄に惹かれ、
「こんな素敵な会社の皆さんと
私も一緒に楽しく幸せに働きたい!」
と強く思った。

今まで
だれかを喜ばせる仕事
→お客様を喜ばせる仕事
→接客業や営業職
だと勝手に狭く考えていたけれど、

総務部長の
【総務のお客様は社員】
という言葉にピンときて、
こんな素敵な人たちに
喜んでもらえるお仕事なんて最高じゃないか
って思った。

特に、その会社に惹き込まれていく
きっかけとなった面接官には、
良くも悪くもロマンチストな方なのだけれど、
「想い」「未来」「夢」
その口から紡ぎ出されていく言葉に魅了されて、
「あなたに総務部を任せたい!」
と言われた時には完全にノックアウトだった(笑)

今思えばまんまと落とされたのかもしれないけれど、
それでも一緒に作っていく未来や希望に、
胸を踊らせていた。


入社当初は、小さなことでも
「人の役に立てることってこんなにも楽しいことなんだ!」
って素直に喜ぶことができていて、
同期や一緒に働く会社のみんなもいい人ばかりで、
毎日が楽しくて幸せだった。

でも、現実が積み重なっていくうちに、
夢や希望といった
未来に対するワクワクが薄れていき、
強い想いを維持できなくなった。


いつしか勝手に拗ねていた。
自分勝手に「どーせ」、「〜してくれない」と決めつけていた。


そんな中でも救いだったのは、
いつも人に恵まれていたこと。
優しい人達に囲まれて、
その人達のためなら頑張れた。
応援できた。

また、採用活動のお仕事を通じて、
学生さん達と関わらせていただけたことも幸運だった。
未来に向かって輝いている、
その姿を見るだけで、
無条件で応援したくなった。


こうして大切な人たちを応援しているうちに、
私も本気でなにかやりたいことを見つけたい、と思った。
初めはどう探したらいいのか見当もつかなかったけれど、
身近な人を応援しているうちに、
笑って楽しくおしゃべりしているうちに、
小さな楽しいことを積み重ねていくうちに、
ついに自分自身の夢を持つことができた。

答えは探しに行かなくても実は自分の中にあって、私はそう、
心地いい理想郷をずっと追い求めている。

でもそれは100%完璧な状態じゃないかも
しれないけど、
常に自分とともにあって、
自分次第でより理想へ近づけることができる。


夢がないこと が悩みだった。
夢を見つけて 嬉しかった。
夢を隠して 苦しかった。

夢を言えて やっと息ができた。
そしたら、
夢を応援される という奇跡が起こった。


「どーせ」否定される、反対される
きっと賛成「してくれない」
と決めつけていたものが、
感謝や感動、愛に変わった。


かつて「未来」をともに夢見た面接官。
なんと言われるかもっとも恐れていた相手の一人。

パッと最初に発せられたひとこと。
「応援します」


胸が熱くなり、涙がこぼれ落ちそうだった。



「人に恵まれている」
そう思っていながらも
どれだけ恵まれているのかを
受け入れ切れていなかったかもしれない。

遅くなってしまったけれど、
卒業の日が近づくにつれて、
いろんな愛にちゃんと気づいて受け取れるようになって、
やっと、卒業の日に100%の愛を感じることができたような気がする。
こんなにもみんなが愛してくれていて、
こんなにも私は愛されていたんだと。

決めつけ、の反対は信じることかもしれない。
自分自身を守るために、
「どーせ」「〜してくれない」と決めつけて卑屈になって、
それでも本当は欲して求めていて、
心が苦しんでるという現状があって、

でも本当はこんなにも愛が溢れているのに、
自分がその愛を受け入れられていないだけだった。

相手を信じ、自分自身も信じる。

少しずつ練習していこう。


ありがとう。


おめでとう。



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